昔から業界で語り継がれる「連載貧乏」とは?
「漫画家ってどのくらい儲かるんですか」なんて聞かれることがあります。
結論から申し上げますと、漫画家は儲かりません。
それどころか昔から「連載貧乏」なんて言葉もあるくらいです。
連載貧乏とは?
新人の原稿料は今も昔も1万円。
週刊誌連載を獲得したとして、1本20ページで20万円。月に4本で80万円。
これだけ聞くと「やっぱり漫画家は儲かるじゃないか!」と思われるかもしれませんが、漫画家は自営業ですのでここから経費と人件費を引かなければなりません。
事務所家賃と光熱費でざっくり10万円。首都圏ならこの金額はさらに上がってくるでしょう。
そして机や椅子や本棚など。デジタル作画ならパソコンなどの機器にも費用がかかります。
それから週刊誌なら専属のアシスタントを最低でも2人は雇わなければなりません。一人月給15万円として2人で30万円。その他臨時のスタッフも必要となってくるでしょう。
これだけでもざっくり経費と人件費で毎月50万円かかってしまいます。残りは30万円…。
「でも単行本が出れば印税が入るじゃないか!」と思いますよね?
気になる印税は?
ところが連載しているかといって単行本が出る保証はどこにもありません。人気がなく売り上げが見込めなければ単行本が出ない可能性も十分あります。
それどころか連載そのものが続く保証も全く無いのです。早ければ3か月ほどで終了となります。
そして次の連載のチャンスもいつやってくるかわかりません。連載を狙っている漫画家志望の人はたくさんいるのです。
連載が続かなければ事務所は引き払わなければならないし、機材も無駄になります。
やっとのことで連載が始まったものの3か月で終了、残金ゼロというのが実は漫画家の普通の流れです。
こういう状況が昔から「連載貧乏」と呼ばれているのです。
こう考えると連載が続いて単行本が売れてる作家さんってまさに「神」だと思いませんか?