「前田ムサシに会いたい」という考え方は心にしまっておいた方がいいですよ
前田ムサシに会いたい?
自分の本を出したおかげで漫画を読んだファンの方から「ぜひ会ってみたい」と連絡を頂くことがあります。ボクに会いたいという人がこの世の中にいるなんて光栄です。でも「前田ムサシに会いたい」という考え方は心にしまっておいた方がいいと思います。
好きな漫画家に会うのはやめておいた方がいい理由
ボクに限らないのですがとにかく漫画家に会うのはやめておいた方がいいです。特に自分の好きな憧れの漫画家には会わない方が賢明です。理由はいろいろあるのですが、ザックリとあげてみますと…
・漫画家は思った以上に普通の人
・作品のイメージと漫画家本人のイメージが一致しない
・漫画はおもしろいのに話してみると意外とつまらない
・何を言っているのかわからない
・着ている服がダサい
・儲かってなさそう
・考え方が変
・暗い
その他あげるとキリがありません。特に作品イメージとのギャップがある場合が多いのでファンの人は要注意です。
漫画家は作品の中に自分のすべてを注ぎ込む
こういう時代ですからボクもTwitterやFacebookなどで私生活や近況を公表していますが、本来は漫画家にSNSなど必要ないと思っています。作品の中に自分のすべてを注ぎ込むのが漫画家の本来の姿だからです。
ですから読者も作品の中にすべての楽しみを追及するべきです。
テレビに出て芸能活動もしている漫画家さんもいますのでタレントみたいに思われることもありますが、たいていの漫画家は創作活動に没頭することに生きがいを感じています。ですから漫画家本人に「作品以外の何か」を期待してはいけないのです。
ただし漫画家志望者は本物の漫画家に会っておくべき
ただし漫画家志望者となると話は別です。漫画家になりたいという人は本物の漫画家に会っておくべきです。できれば実際の仕事場を訪問することをおすすめします。
「憧れの漫画家さんにそんな簡単に会えるわけない…」と思ってしまうのが普通ですが、誠意をもって手を尽くせば意外と会えるチャンスというのは作れるものです。
憧れの漫画家さんに実際に会ってその人の仕事場を見れば、あまりの理想と現実との違いに「あ…やっぱり漫画家はやめておいた方がいいかも…」と99%の人が自分の未来へと続くかもしれなかった「漫画家になりたい」という過った願いを悔い改めることになるでしょう。
ただし「あ…私はこの人と同じ世界の人間だ…」と何かを感じてしまう奇特な人が世の中にはいるのです。そんな残り1%の奇妙な人だけが漫画家を目指せばいいのだと思います。